『オカ学』に潜む“五芒星”の符合を次々に明らかにした「ムー」編集長・三上氏。今回は、『オカ学』最大のテーマである“ノストラダムスの大予言”について、その深遠なオカルト知識の一端を我々に見せつけた。
三上「『オカ学』の舞台が1999年ということは、やはりメインとなるオカルトは“ノストラダムスの大予言”なのでしょうか?」
伊藤「はい。物語の核心を含む部分なのであまり多くはお話できませんが、世界の滅亡を予言した“ノストラダムスの大予言”がこの物語の大きな柱になっています」
―― 世界で最も有名な予言者・ノストラダムス。
本名ミッシェル・ド・ノートルダム (ノートルダムとは“貴婦人”、すなわち聖母マリアの意)ルネッサンス期に活躍したフランスの医師・詩人・予言者(1503-1566)。ユダヤ系カソリック教徒で、当時ヨーロッパ全土で猛威を振るったペストを先進的な技術(感染源となるネズミの駆除や、病没者の火葬など)で救ったといわれる。未来への予見を四行詩で著し、数多くの予言を的中させたことからヨーロッパ中の評判となり、晩年には王侯貴族の相談役や侍医をも務めたという。
そんなノストラダムスの予言の中で、もっとも世に広く知られているのが下記の一篇である。
「1999年7の月
天から恐怖の大王が降ってくる
アンゴルモアの大王をよみがえらせ
その前後マルスは幸福の名のもとに支配するだろう」
――ノストラダムス「諸世紀」より
20世紀が終焉を迎え、新たな世紀に突入していく高揚感と言い知れぬ不安、恐怖の感情に支配されていた世紀末。世界の破滅を予見した“大予言者ノストラダムス”の存在は、程度の差こそあれ当時の人々の深層心理に強烈に刷り込まれていた。ノストラダムスの予言を日本にはじめて本格的に紹介したフリーライター・五島勉氏の「ノストラダムスの大予言」(祥伝社)は、発行部数250万部強、450刷以上の増版を重ねたという(この“ノストラダムス”シリーズは、最終的に全10冊が刊行された)。
しかし諸氏も御存知の通り、ノストラダムスが遺したこの世界滅亡の予言は外れ、世界はこれまでと変わらず今も連綿と存在し続けている。
そんな私たちの心の中を読んだかのように、三上氏から驚くべき発言が飛び出した。
三上「ノストラダムスの大予言――本当に外れたとお思いですか?」
一同「!!!」
(続く) 第4回を読む